■ 2-16 ■ |
バイオレットは再び亮の前面に回り込み、亮の唇を貪りながら襟元から手を入れる。 含みきれない唾液が亮の口元からこぼれ、ぽたぽたと胸元へ落ちていく。 「ん……っ、んんぅっ」 長い舌が亮の口中を蹂躙し、亮は息苦しさで眉をひそめた。 その表情を堪能しながらバイオレットの手は亮の胸元をまさぐり、片側の襟元を大きく引き下げると、現れたブラジャーの肩紐を指先で外していく。 白いレースの下着の下から、亮のピンク色の飾りが顔を覗かせていた。 「いい子だ。ちゃんと下着もつけているね」 「っ、は…、」 唇を解放され荒い息をつきながら、亮は視線を自分の胸元に下げる。 用意されているからと、嫌々ながら身につけた下着の合間から、起ち上がりきった自分の胸が見えていた。 その映像があまりに恥ずかしく、亮は顔を背ける。 「似合っているよ、トール。もっとよく自分でごらん。本当に可愛らしい――」 バイオレットの手が亮の顎をつかみ、無理矢理視線を戻される。 羞恥に我知らず身体が震えていた。 震えながら見つめる視線の先。赤く色づいた胸の先端を、尖らせたバイオレットの舌で絡め取るように転がされた。 「…ぁっ、ふぁ、ぁっ、っ──ぁふっ」 ぴちゃぴちゃと音がする。 未知の生物のようなその動きはただ嫌らしく、亮は目茶苦茶に暴れて逃げ出したい衝動に駆られる。 しかし、それはできないのだ。 カラークラウンの命令は絶対。何を言われても何をされても従わなくてはならない。 何より亮の身体は己の意志に反し、バイオレットの舌が蠢く度、ひくひくと性的に反応を返してしまう。 「っ、ぁっ、ゃっ、…、ん、」 「トールのここは、女の子のように敏感だね。最初から? それとも、他のカラークラウンに教え込まれたのかね?」 亮にとって考えたこともない恥ずかしい質問に、亮は頬に朱を上らせ、嫌々を繰り返すだけである。 その様子をねっとりと眺めながら、バイオレットは左側の飾りを吸い上げ、甘噛みする。 「ひゃぅっ」 その強い快感に、ひくりと身体を反らせた亮の耳の中へ、バイオレットの舌先が潜り込んできた。 甘いささやき声が、ぴちゃぴちゃという水音と共に聞こえてくる。 「ちゃんと質問に答えなさい、トール。出来ない子にはおじさま、もっと意地悪をするよ?」 「…っ、わかんな…、わかんな、です、おじさま…」 全身鳥肌を立てながら、耳の中でごそごそと蠢く異物に、亮は必死で耐えていた。 滴り落ちるバイオレットの唾液が、亮の頬をするすると滑り落ちていく。 「じゃあ、おじさまが亮の思い出しやすいようにしてあげようか」 そういわれると、身体の上の重みが消え、バイオレットが身体を離したのがわかった。 閉じていた目をそろりと開け、亮が様子をうかがうと、バイオレットはテーブルの上の皿から何かを手に取り、亮の胸元へたっぷりと塗りつけ始める。 その淡い冷たさに亮の身がすくんだ。 「トールのストロベリーを、おじさまにもっともっと食べさせておくれ」 真っ白のホイップクリームが亮の肌を滑り落ち、下着の合間から覗く亮の胸の尖りへひっかかる。 バイオレットの舌がそのクリームを舐め取りながら、何度も音を立てて亮の乳首を吸い上げた。 「ひっ──ゃ、おじ、さま、も、そこ、だめぇっ…」 亮がいくら身体を強ばらせ、嫌々を繰り返そうと、バイオレットの執拗な責めは終わらない。 ドレスに隠れた右側の先端も、潜り込んできたバイオレットの指先でこねられ続ける。 「っ、ぃっ、ぃぁっ、ぁっ、ぁん、はぁっ──」 十分。ただただ胸のみを弄られ続け、亮は気がおかしくなりそうだった。 荒い呼吸で身を捩り続ける。 ぼんやりとした視線に、女の子のように悪戯され続ける自分の胸元が映っている。 顔を上げれば、先ほどから黙ったまま立ちつくす、ノーヴィスの姿が見て取れた。 ノーヴィスの目の前で、自分は嫌らしい行為に興じている。 その事実が亮を追い詰めていく。 甘い声に泣き声が混じり始めた。 「っ、っ、ん、ぁっ、ぉじさま、も、ゅるして――」 「今度は質問に答えられるね? トール」 「…っ、――さいしょ、から、です」 「何が、最初から、なんだね?」 「・・・。ォレ、は、さぃしょ、から、――ムネ、弄られると、き、もちよく、なり、ます」 伏せた睫毛を奮わせながら、亮はやっとそれだけ言った。 それを満足そうに見上げると、バイオレットは胸元から首筋まで舐め上げていく。 「なるほど。トールは生まれつき、男性に身体を触ってもらわなくてはいられない、とても淫らな子だということだね?」 レースのチョーカーを外し、首筋に舌を這わせながら、バイオレットが続ける。 亮はうつむき、小さな声で「はぃ」と答えた。 その回答にバイオレットは笑みを強めると、亮を立ち上がらせ、自分はソファーへと座る。 「ではトール。おまえがどれだけいけない子なのか、おじさまに見せておくれ」 「――?」 意味がわからず首を傾げた亮に、バイオレットは優しげに微笑んで見せた。 「おじさまは正義の裁判官だからね。トールがいけない子なら、それを正して罰を与えてあげなくてはいけない」 「…ばつ」 「きちんと罰を受ければ、トールは清い存在として生まれ変わることが出来る。私はトールを救ってあげたいのだよ」 「…はぃ、おじさま」 やはり意味はわからなかったが、亮は頷くしかない。 その従順な態度にバイオレットは満足げに続ける。 「では、ゆっくりとドレスを上げて、おじさまにトールの一番恥ずかしいところを見せてごらん?」 「――!? え、ぁ…」 「決していかがわしい意味で言っているのではないよ? 裁判長としてきちんと事例を見てからでないと、罰の判断が下せないから、見せてみなさいと言っているんだ」 「・・・、ぁの、でも、」 「でも? でもどうしたね?」 亮の懇願にも似た問いかけに、バイオレットは固い声で答える。 その事務的で冷たい響きに、亮は唇をかみしめると、ゆっくりとドレスの裾を上げていった。 バイオレットの身体がわずかに前傾姿勢になる。 亮はドレスの裾が腿の上まで来た辺りで、一度手を止めていた。 これ以上上げれば、恥ずかしい下着が見えてしまう。 今日着けているのは、ドレスと一緒にバイオレットに用意された女性用の小さな下着だ。 さんざん胸を弄られ、おそらく兆しを見せている自身が、その下着の中でどうなってしまっているのかわからない。 自分で想像することすら嫌だった。 それを自分の手で知らない男に見せる――。 全身を焼き尽くすような羞恥心が亮を襲い、動きを凍り付かせていた。 「どうした、トール。続けなさい」 バイオレットの声は優しかったが、有無を言わせぬ強さを孕んでいる。 亮は唇をかみしめながら、再び裾を持ち上げていく。 「――っ、」 フリルの下から恐る恐る現れた亮のそこは、レースの薄い生地をいっぱいに押し上げ、女の子ではありえない主張を兆していた。 バイオレットの喉がごくりと動いた。 「これは…いけない。トール。こんな可愛らしいショーツでは、トールのキャンディーを包んでおくことはできないだろう?」 バイオレットの手が伸び、リボンのたくさん散らされた白いショーツをサイドへずらす。 「!? っ、」 亮が身じろぎすると、起ち上がりかけた亮の幼い持ち物が、ふるりと顔を覗かせていた。 それが瞳に映った瞬間、バイオレットの身体がワナワナと震え始める。 同じく震える指先で、亮のものの形をなぞると、べろりと唇を一舐めしていた。 「――っ、ああ、トール。おじさまに、キミの可愛いキャンディーを舐めさせておくれ」 バイオレットは感極まったように亮の腰を抱き寄せると、スカートの内側へ頭を突っ込み、亮の幼いモノへむしゃぶりつく。 「ひ――、ゃ、ぁっ、」 逃げようとする亮の腰は押さえ込まれ、床に跪いたバイオレットの長い舌に白い腿も、幼い自身も、蹂躙される。 腕を突っ張りささやかに抵抗してみせるが、バイオレットの左手は亮の小さな尻たぶをつかみ、ショーツの間に指を潜り込ませて、その柔らかな弾力を放そうとはしない。 「っ、トール。キミは、知らなくては、ならない。いかに、キミが可愛らしいか。私を惑わせるか。酷い罪人であるか――」 譫言のように繰り返すと、バイオレットは汗ばんだ顔を上げ、亮を背後から抱え上げていた。 両膝の裏から腕を出し大きく足を広げさせると、横に用意されていた大きな姿見に亮の姿を映してみせる。 「ごらん、トール。こんな可愛らしい女の子のような姿をしているのに、あんな嫌らしいキャンディーが顔を覗かせている。あれは、誰だろうね?」 鏡に映った少女は胸元をはだけられ、下着からピンク色の飾りが覗いてしまっている。 大きく広げられた足の間には真っ白なリボンのショーツがつけられ、そこから覗いた不似合いな男の子の証明は、痛々しいまでに張り詰めていた。 あれが誰だか、わからない。 鏡に映った少女は、口元を唾液に濡らし、誰かに悪戯された後のような淫らな顔をしていた。 「女の子の下着までつけて、おじさまを誘惑して――なんていけない子だ。男の子のくせに――」 身体をずらして鏡に映るように座ると、バイオレットは白い下着を横にずらし、ホイップクリームを亮の蕾に塗り込んでいく。 鏡に映った少女の窄まりに、バイオレットの太い指が出たり入ったりを繰り返しているのが見える。 女の子のそこに指が突っ込まれる度、亮は自分の身体がびくびくと跳ね上がるのを感じていた。 「っ、ぁっ、んっ、んぁっ、…、っ、」 鏡の中の少女の、長い髪が揺れる。 「トール、今からおじさまが刑を執行するよ。こんないけない子には、私自ら罰を与えてあげなくては」 「――ば、つ…」 「ノーヴィスにも見てもらおう。キミがお仕置きされている可愛らしい様を」 「・・・ノ、ヴィス?」 亮の瞳に意志の光が戻る。 その瞬間、亮の下腹部に大きな衝撃が走った。 「――っ!! っぁ、ぁ、っ、」 鏡の中の少女の蕾に、バイオレットの猛ったモノがねじ込まれていく。 「ひ――、ぃ、ぃぁぁぁっ!」 大きなそれは、ソヴィロの力を解放しながら熱く亮の中を焼きつくす。 ――そうだ、あれは、自分だ。 鏡の中で後ろを犯されているあの少女は、自分なのだ。 「やっ、やだっ、ぃやぁっ!」 吐き気のする嫌悪感が亮の中を駆けめぐる。 純白のニーソックスに包まれたしなやかな足が、だだをこねるように暴れ、背後から貫いたバイオレットをさらに興奮させる。 「Good boy, good boy THOR ! ほら、ノーヴィスも見ているよ?」 バイオレットの言葉に、亮は悲鳴を上げていた。 「嫌ぁっ! ぃやだっ、ノーヴィス、見ちゃ、やだ、見、ない、でぇっ!」 身体の向きを変えられると、その先にノーヴィスが居る。 亮は何度も首を振り、その度にぽろぽろと涙がこぼれた。 つながったまま、バイオレットが亮の頬に舌を這わせる。 「愛しているよ、トール。私の、可愛い、ヴィスクドール――」 バイオレットが再び激しく亮を突き上げ始めた。 ぐちゅぐちゅと淫靡な音が鳴り、亮の中を熱の塊が突き上げる。 「っ、やぁっ、ぉじ、さま、も、ォレ、ごめ、なさぃ、ぃっ、ぁっ、ぁっ、ふぁっ、」 「Good boy,THOR. はっ、愛しているよ、トール。Good boy、ぁぁっ、トール、トール」 うるさいほどの息づかいが亮の耳元で繰り返される。 羞恥の中犯され続ける亮の様子に、バイオレットの興奮は尋常ならざる域にまで達していた。 『っ、トール、ぃぃ、私の、私だけの――っっ!』 数分も経たず、バイオレットのモノがドクンと痙攣し、恍惚とした表情で亮の中に大量の白濁液を注ぎ込む。 「――、っ、ぁっ、ぁっ、ひぅんっ!」 内壁を溶かしてしまいそうなその熱に、亮はビクリと身体を反らせると、自身も淡いミルクを吹き上げていた。 たくし上げたドレスの裾に雫がかかる。 ぐったりと身を預けた亮の体重を心地よく感じ取り、バイオレットは亮のそぼ濡れた幼いものをしごきながら、再び動き始めていた。 ソヴィロ・バイオレットが「愛しているよ」と繰り返しながら部屋を出て行ったのは、時間ぎりぎりの二時間が経過してからであった。 ソファーの上でぐったりとしている亮にノーヴィスが駆け寄ると、亮はその手を制して、自分で身体を起こす。 「亮さま、すっ、すいません、でした。私、亮さまをお守りするといいながら――、何一つ、お役に立てなくて――」 ソファーの傍らに跪いたノーヴィスは、肩を奮わせ唇をかみしめた。 その両手のひらにはくっきりと爪の形に血が滲んでいる。 「ノーヴィスは、ノーヴィスは、無力です。無力で、最低の従者です――」 堪えていた涙が、ぽろぽろとこぼれる。 その涙を、伸ばされた亮の指先が拭いていた。 「泣か、ないで、ノ、ヴィス。ォレは、こんなの、平気、だから。も、慣れっこ、だもん」 顔を上げたノーヴィスに、亮が微笑んでみせる。 「亮、さま……」 「ノーヴィスは、ソファー、綺麗にしといて。ォレ、シャワー、浴びてくるから」 今日ばかりはノーヴィスも、亮の後を追うことが出来ない。 言われたまま頷くと、ふらふらと立ち上がりバスルームへ向かう亮の後ろ姿を見送った。 シャワーの音がすぐに聞こえ、それは今までになく長かった。 三十分が経った頃、亮がタオルを肩から掛け、不安定な足取りでバスルームから出てくる。 ノーヴィスは慌ててそれに駆け寄ると、亮の身体を抱き留め、用意していた浴衣を身体に掛けてやる。 「ほんとに、も、大丈夫だから。次のゲスト、誰、だっけ。楽な人だと、いいなぁ」 微笑んで見せた亮の目は、赤く泣きはらされていた。 ノーヴィスも胸の痛みを感じたまま、そんな亮に微笑んでみせる。 ここで自分がまた泣き出しては、亮を苦しめるだけだ。 「次はカウナーツ・ジオット様です。あまりセブンスにお出でにならない方なので、ノーヴィスはお顔程度しかわかりません。――でもまだ三十分ありますから、その間だけでもお休み下さい」 亮はノーヴィスの言葉通り、濡れた髪のままベッドへ横たわると、短い休息の眠りについたのだった。 |