■ 4-8 ■ |
「亮くん! 心配したよ、どこ行ってたの!?」 寮に戻り弁当箱を校門で待っていた古本屋に返した亮は、返す足で寮の玄関前をうろうろしていた秋人に捕まっていた。 どうやらコンビニや駅前など、亮を捜してあちこちを回っていたらしい。 「ん、ごめん、心配掛けて。平気だから」 脇をすり抜けようとする亮の腕をがっしりと捕らえると、秋人は眉根を寄せる。 「平気じゃないでしょ。顔色よくないよ。すぐバイタル計るから。これは事務所社長としての命令だよ?」 秋人にこう言われては亮は従わざるを得ない。素直にうなずくと、秋人に言われるまますぐに自室ベッドへ寝かされることになる。 「やっぱり熱がある。脈も不安定だし、タイミング的にそろそろ次の発作が起きても不思議じゃない」 亮の脈を取りながら、秋人は大きくため息を吐いていた。 「朝、シドから亮くんの様子がおかしいから注意しろって連絡入ってさ。それからずっと待ってたのに戻ってこないし、本当に心配したんだからね。朝から具合悪かったんじゃないの? それなのにこんな無茶して――」 「別に無茶なんてしてないよ。薬だって持ち歩いてるし、ちょっと外の空気吸いたくなっただけで」 不機嫌そうに視線を下へ泳がせる亮を秋人は横にさせると、タオルケットと毛布をかけてやった。 「薬飲んで――」 秋人の指が小さな白い錠剤を一錠、アルミ製のピルケースから取り出すと、亮の口元へと運ぶ。 亮はそれを素直に口に含むとコクリと飲み込んでいた。 「水、いる?」 秋人が手にしたボルヴィックのペットボトルを差し出すが、亮は小さく首を振り、肩口にかけられたタオルケットをお団子にしてかき寄せると抱きしめる。 「何かあったら携帯の緊急連絡ボタン押してよ?」 枕元に携帯を置きながら、秋人が念を押す。 亮はうなずくと、抱き寄せたタオルケットへ子ネズミのように顔を埋めていた。 秋人は一度優しく亮の髪を撫でると、ベッド脇の小机に冷えたペットボトルを置きそっと部屋を出て行く。 亮は扉の閉まる音を聞きながら、ゆっくりと呼吸が上がっていく自分の変化を感じ取っていた。 亮の感情がこれほど不安定になるとは、秋人にとっては思ってもいないことだった。 今度の仕事が決まったとき、亮の状態は体力も精神面も以前と変わらぬまでに回復していたし、数ヶ月の生活の変化くらいは大丈夫だろうと判断したのだが、今の状況を見る限り時期尚早だったと思わざるを得ない。 かといって今回の案件は断ることも、調査延期することもできない類のものだ。シドも自分もどうしても事務所から出る必要があった。 亮を壬沙子一人に任せて事務所に置き去りにすることには抵抗があったし、GMD中毒の発作についても不安があったため修司の元に帰すのもためらわれた。だからこの『秋人の管理する寮に亮を入れる』方法が最も確実で安全な方法だと思ったのだ。 確かに物理的には今の方法は間違っているとは思えない。 しかし、一度ならず何度も打ち壊され引き裂かれた亮の精神は、ほんの数ヶ月の療養ではどうにかなるものではなかったらしい。 「修司さんの所へ帰した方がいいかな――」 シドの側へ亮を近づけさせられない今、一番亮の心が安定する場所は間違いなく兄の修司の側だろう。 発作については不安が残るが、それでも亮の精神が安定していれば予想外の酷い発作は起こりにくいはずだ。 秋人は管理人室に戻るとすぐ、壁に掛けられた時計を確認し携帯で電話をかけ始めた。 「っ、は、は、っ、――」 身体の中の熱に呼応するように、亮の呼吸は次第に上がり始めていた。 全身の皮膚が過敏になり、僅かな布のこすれですら甘い疼きを身体の芯へ伝えてくる。 亮は身体の熱を解放しようと、毛布をはだけ、鬱陶しい制服のズボンを脱ぎ捨て、シャツのボタンを上からいくつか震える指先でどうにかはずしていた。 「――、っ、ふ……」 必死に呼吸を整えようとするが、うまくいかない。 それどころか全身を不快な感覚が走り抜け、吐き気を催すフラッシュバックが何度も亮を襲う。 今朝方亮を襲った見知らぬ男の体温や息づかい。身体を這い回る指先の感覚やこすりつけられる腰の熱。 「ゃ、っ、ぅぁっ、」 何度も首を振り、タオルケットにしがみついてそれを振り切ろうとするが、その映像は次第に体温を持つほどのリアルさを持って亮を責め始めた。 見知らぬ男の手はいつの間にかシャツの中や下着の中に潜り込み、亮の気持ちよくなってしまう部分を執拗に責め立てる。 『みんなに知られてしまいますよ。あなたが本当は男の人に犯されて何度もいきまくる淫乱な子だということを。ねぇ、亮さん?』 声が聞こえた。 だがその声は今朝の男のものではない。それは亮がとても良く知る声。 「っ、たき、ざ……」 振り返れば電車の中、すぐそばに滝沢の顔があった。 自分を抱きかかえるように密着し、滝沢の手が亮を苛んでいるのだ。 「ひ……」 恐怖のあまり息が詰まる。 滝沢がにんまりと笑った。 (助けて――!) そう叫んだつもりだった。だが、声は喉の奥に引っかかり言葉となって出てこない。 目の前のドアが不意に開いた。 亮は必死にそのドアから飛び出し、萎えた手足でホームへと転がるように逃げ出す。 (誰か、助けてっ!) しかしホームには誰も居ない。 真っ暗なホームには明かりすら付いておらず、線路の向こうで輝く赤い月だけが亮を見守る唯一のものだ。 『亮さん、今朝だって知らない男の人に身体を触られて、感じていたのでしょう? 私にはわかるんですよ』 生ぬるい風が吹いていた。 亮は逃げようと足を動かすが、うまく力が入らずホームのアスファルトの上に転がる。 振り返ると黒のスラックスを身につけた足がそびえ立ち、赤い月を背に酷薄そうな社長秘書が笑っていた。 「ひ、っ、――」 『世間の人たちにも知ってもらいましょう。亮さんがどんな風に男の人に鳴かされるのか』 砕けた腰で後ろへ後ろへと身体をいざらせる亮を組み敷くと、ズボンや下着を脱がして大きく足を開かせる。 『どんな顔で挿れてくれとせがむのか』 必死に抵抗しようとするが、亮の身体は他人のもののように動かず、そのくせ甘い感覚だけは気が狂いそうなくらい亮の中を焼き尽くす。 滝沢の固く尖らせた舌が亮の蕾にねじ込まれ、のたうつような動きで固い蕾を綻ばせていく。 「ゃだ、ぃゃっ、っぁぅ」 助けを求めて亮が視線を泳がせれば、いつの間にか周囲には人垣ができ、青い顔をした無表情の人々が食入るように亮の痴態を見下ろしていた。 恐怖にも似た恥辱感が亮を苛み、亮は必死に顔を両腕で覆う。 「っ、見るなっ、見るなよっ、っ、ぅぁっ、ぁ、見ない……で。見ないでぇっ――」 その気持ちとは裏腹に、亮の身体は熱く甘く暴走を始める。 初めて滝沢に犯されたときと同じやり方で、滝沢は亮の蕾に舌を差入れながら、首をもたげた亮のモノをくちゅくちゅと音を立てて捏ねていた。 「ぁっ、ぁっ、ん、はっ、……、ゃぁっ、」 どれだけ視界を隠しても、滝沢から与えられる快楽は亮を追い詰めていく。 次第に甘い声が混じってしまうのを自分でもどうしようもない。 首筋から胸にかけ滝沢の舌が這い回り、節くれ立った指が亮の蕾の中心へ突き立てられる。 「ひゃぅっ」 顔を隠したまま反り返る亮の首筋に、滝沢が舌を這わせていく。生暖かいそのぬめりを帯びた感覚は、亮がこの一年で身体に教え込まれた良く知るものだ。ぞくぞくと全身の細胞が総毛立ち、滝沢に身体を舐められているという吐きそうな嫌悪感が、薬による倒錯で快楽へと変換されていく。 何度も何度も滝沢の長い指が亮の中を擦り上げ、次第に亮はどうしようもない身体の限界へ追い込まれ始めた。 「亮さんは滝沢にずっとこうされたかったのでしょう? 幼い頃から無意識に私を誘って――本当にどうしようもない淫乱な子だ」 耳元で囁かれ、次に胸の飾りを唇で強く吸い上げられる。 「っぃぁっ、――ちが、……ちがぅっ、」 頭でも言葉でも否定を繰り返すが、自分の中を擦り上げる滝沢の指と這い回る生暖かい舌の動きに、亮は次第に本当は滝沢の言うとおり自分はずっと前からこうして滝沢にいやらしいことをされたかったのではないかと、有り得ない記憶がわき起こってくるのを感じていた。 自分をさげすむ態度と、粘つくようなは虫類の視線。父の側にいつも控えていた冷えた社長秘書に、性的な悪戯をされ、監禁され、薬漬けにされて一日中犯されることを自分は望んでいたのではないのか。 厳格な父親の秘書に亮は無理矢理身体を開かれ、男に組み敷かれ犯される快楽を教え込まれた。 行為の後はいつも吐き気を催し、何度も逃げだそうとしたがそれすら実は亮の求める快楽の一部だったのではないのか。 そんな考えが黒く重く亮の底にわき起こり始める。 「さあ、亮さん。みなさんに亮さんの本当の姿をみてもらいましょうね」 その言葉と同時に滝沢の手が、顔を覆っていた亮の腕をはずしていた。 赤い月とぬめりを帯びた滝沢の顔。 そして周囲には青い顔をした無表情の見知らぬ人々が、亮を取り囲んでいる。 「ぁ、っ、ぁ、……、ぁ」 亮の身体は限界だった。 駅のホームだというのに、中を指先で蹂躙され先端を捏ねられた亮の身体は、熱く暴走し、立ち上がりきった幼いそれは透明な雫を涎のように卑しく滴らせている。 「いつものようにおねだりしてください。どう言うんでした? 亮のここへ、何が欲しいんですか?」 滝沢の指が亮の中から引き抜かれ、代わりに熱く膨れあがった滝沢の赤黒いモノがあてがわれていた。 その熱に、亮のからだがびくんとはねる。 「ゃ……」 嫌だ。 嫌だ。 嫌だ! 頭では何度もその声が繰り返されている。 しかし身体はそれを上回る声で狂おしい熱を訴えていた。 「さあ、亮さん」 立ち上がった亮のそれへ、滝沢のモノがゆるゆると擦りあわされる。 「ふぁ……、ぁ、とおるの、ここへ――」 「もっとちゃんと言って下さらないと、わからないですよ」 滝沢の指に胸の飾りをひねりあげられ、亮は「ひゃん」と小さく鳴いていた。 「とおぅの、いやしぃ、下の、おくち……に、」 そこまで言って亮の両の目から大粒の涙が、ボロボロとこぼれ落ちる。 何故泣いているのか自分でもわからなかった。 滝沢に教えられた通り言えば、今すぐに滝沢の熱いものを突っ込んでもらえるのだ。 突っ込んでもらって何度も突き上げられて、何度も何度も気が狂いそうなほど射精させてもらえるのだ。 「亮さんの卑しい下のお口に?」 「した、おくちに……、たきざゎの、ぉきな、ぉちんちん、食べ、させて――くら、さ……」 涙で何も見えなくなる。 赤い月も滝沢の顔もぼやけ、ただ強烈な熱が抱え上げられた足の間に押し当てられている感覚だけがリアルだった。 その熱が一度引かれると次に亮の中へ潜り込もうと、ぐいと押しつけられる。 「ぃゃだ……」 「本当にどうしようもない子だ――」 滝沢の声が聞こえ、初めてされたときと同じように、滝沢の反り返ったモノが亮の中にねじ込まれてくる。 「ゃ、ぁ、ゃだっ、……嫌だあああっ!!!!」 その感覚に亮は必死に身体をねじっていた。 瞬間――。 がつんと手が何かに強くあたり、次に頬にひんやりした心地の良いものが触れていた。 「っ――!!」 亮の身体がびくんと跳ね、大きく息を吸う。 「はっ、はっ、……、」 辺りは明るかった。 窓から差し込む午後四時の光が、淡く亮の部屋を包み込んでいる。 亮は呆とした頭で視線を彷徨わせると、頬に触れていた心地よい冷気に手を添える。 触れてみればそれは先ほど秋人が置いていった、冷たい水のペットボトルであった。 「ゅめ――……」 体調の悪さもあって、GMDの強さに耐えきれず意識を失っていたらしいことを、このときようやく亮は悟っていた。 うなされて暴れたときベッド脇の小机に手が当たり、ペットボトルが落ちてきたのだろう。 手にしたペットボトルを頬に添えると、ひんやりした感覚に不思議と心が落ち着いてくるのがわかる。 「シド――」 我知らずそう言葉が出ていた。 ボトルをもう片方の手に移すと、熱いままぞくぞくと疼いている下半身に冷えた指先を伸ばす。下着の中に手を入れ、亮は自らをそろりと撫であげてみた。 「ぁ……」 冷たい指先が熱く脈打つ自身に触れただけで、亮は切なげに眉を寄せ、ぶるりと震える。 「ん――、し……」 ノック・バックの時、いつもシドがどうしてくれるか――それと同じやり方を敢えて追うように、亮の冷えた指先がくちゅくちゅと音を立てて己のモノを擦り上げ始める。 冷たいボトルに唇を寄せながら、亮の左手の動きは次第に激しくなっていく。 「は……、っ、ん、しど、ぁ、ぉれ、んん――」 どうして自分がこんなことを口走っているのかわからない。 いつもノック・バックを自分で処理するときは、機械的に部分を慰めるだけで、特に何かを思い描きながらしたことなど今までの亮にはなかったのだ。 呼吸を落ち着けてだの、早く終わらせてだの、外に聞こえないようにだの、そんなことを気にしつつ取りあえず熱を吐き出して終わる――それがいつもの治療方法である。 だが、今回のノック・バックはいつもと少し違っていた。 自分でもどうしてこんなことを考えているのかわからないが、何度その考えを振り払おうとしてもだめだった。 ボトルの冷たさを感じる度、シドの涼しげな顔や深い声が浮かび、敢えて冷たくした指先で自分を慰めようとしてしまう。 GMDの支配下にある亮には、その状況を変える余力などもはやなかった。 ――こんなの、ダメだ。 ――何考えてんだ、オレ。 そう思いながらも、亮の唇は冷たいボトルへ寄せられ、冷えたそのボトルを胸元に這わせると、恍惚とした幸福感に満たされていく。 「シドっ、ぁっ、ぁっ、し……」 キスをねだるように口元に引き寄せたボトルへ、そっと舌を這わせ、亮は一際強く自身を擦り上げた。 「ふぁぁっ!」 言いようのない快感が下腹部を走り、亮のからだがびくんびくんと二度跳ねる。熱く濃いミルクが、亮の手の中で吹き上がっていた。 「ぁっ、ぁっ、とまない、ょぉっ――」 それでも亮の身体は収まる気配を見せない。 今度は俯せになりペットボトルを抱きかかえたまま、再び自身を擦り出す。 その間、シャツの合間からのぞく胸の飾りをボトルの底でくりくりと刺激しながら、我知らず腰を動かしてしまう。 「は、は、し、しど、もっとぉ、ぁ、――きち、いいよぉ」 シドの大きな手が自分の身体を這い、自分の立ち上がったモノを少し意地悪に擦り上げる妄想が、亮の中で現実感を持って繰り返される。 「シド、ぉれ、なか、熱くて、しんじゃぅ――」 『冷やしてやる。亮――、力を抜いていろ』 そう言いながらシドの熱く冷えた氷柱が自分の中へ穿たれていく。 いつかのセラでの出来事。シドはそう言って何度も亮の中を掻き回した。 あれが本当の出来事なのか、それともただの夢なのか。亮にはわからない。 でも、今はただその時の熱に浮かされたような記憶を追い求めるしかない。 「ふあっ、あっ、ぃぅっ――」 亮の指先が己の蕾の中につっぷりと沈み込んでいき、亮はぷるぷると震えながら再び仰向けに倒れ込んでいた。 進んで自分の指を自分自身でそんなところへ入れたことなど、これまで一度もない。 セブンスにいた頃はバイオレットに何度か、そういったことを強要されたことはあったが、当然二度としたくないといつも思ったものだ。 しかし今、亮は自分でもどうしようもない淫靡な熱に浮かされ、己の秘所に細く小さな指先を潜り込ませていく。 「ぁっ。ぁっ、んんっ」 息苦しさに喘ぎながらも、必死でシドに突かれていた箇所を追い求める。 己の指がそこを求めて周囲をひっかく度、亮のからだはぞくりといい知れない感覚に総毛立った。 「は、は、んぅ、ぁっ――」 しかし亮の指ではそこまで届くことはない。 「しぃ……」 切なげな声を上げ、亮はペットボトルを頬に寄せたまま、それでも内部をくちゅくちゅと擦り上げ、次第に息を速めていく。 「は、は、っ、は、ぁ、ふぁ、」 いつしか下着は膝下までおろされシャツは半ばまではだけられている。亮はあられもない格好を夕方の光に晒し、腰を浮かせ、揺らしながら自身の後腔を悪戯していた。 触れていないのにもかかわらず、亮の幼根は再び反り返り、シャツの裾を濡らしている。 「ぁ、ぁ、シド、っ、しどぉっ、ぅぇっ、ぇ、し、……ぁっ」 いつのまにか亮は泣いていた。 だが快楽が背徳感と胸の苦しさを上回り、ぽろぽろと涙を零しながらも亮の手は止まらない。 一際強く亮の指先が己の中を抉った。 「ひぅっ!!」 びくんと大きく身体が跳ねる。 「ぁっ、あっ、ぁぅ」 白いシャツに白い迸りがぱたぱたと音を立てて落下していた。 それと同時にがくんと身体が崩れ落ち、身体の中から己の指が抜き出される。 「は、は、っ、は――」 荒い呼吸で何度か身体を痙攣させ、亮はようやく手にしたペットボトルを枕元へと置いていた。 いつの間にかあれだけ冷えていたボトルは随分とぬるくなってしまっている。 「――何やってんだろ、オレ」 猛烈な罪悪感が亮の中で膨れあがり、情けなさで再び涙がこぼれる。 これでは夢の中で滝沢に言われたことと同じだ。 そんな行為にシドを使ってしまうなんて、自分は最低の人間だ。 亮は疲れと胸の痛みで崩れ落ちてしまいそうになる身体をむち打って、それでものろのろと起き上がるとウェットティッシュで簡単に身体や指先を拭き清め、下着をあげると毛布の中に潜り込んでいた。 もうすぐ学校も終わる時間だ。 こんな姿を久我にでも見つかったら何を言われるかわかったものじゃない。 一応携帯で秋人に終わった事を告げると、亮はようやくそのままタオルケットを抱え眠りに落ちていった。 |