■ 2-24 後編 ■ |
三人掛けのソファーに座った亮の横に、スティールが静かに腰を下ろした。 それだけで亮の心臓は跳ね上がる。 中世のローブに似た、ゆったりとした研究衣を身にまとうスティールは、まるでゲームや映画から出てきた王侯貴族みたいだと亮は思った。 「どうしました? 少し顔が赤いようですが」 身体を引き寄せられ、額に額を当てられると、亮の頬はさらにトマトの如く赤くなる。 「あ、あ、あの・・・、オレ・・・」 こんな間近にスティールの顔があることが信じられなかった。 亮がセブンスへ来てからというもの、スティールはゲストとしてやって来る度、亮に楽しい話を聞かせてくれたり、おいしいケーキをごちそうしてくれたり、勉強を教えてくれたり、そんな普通で当たり前のことを続けてくれている。 ライラックや他のカラークラウンたちの行為から考えれば、それはしかしここでは普通のことではないとわかる。 こんな風に当たり前に接してくれるのは、スティールとシュラだけであったが、なぜか亮はスティールが近くにいると、シュラには感じない「ドキドキして身体が熱くなってくる現象」に苛まれる。 シュラのことも好きだが、スティールにはもっと激しい、焦がれるような何かが自分の中で渦を巻いているのがわかるのだ。 スティールに嫌われたくない。 ――他にゲスト取っているなんて思われたら、きっと嫌われる。 その感情が、シュラのリザーブをキャンセルした行動に表れていた。 「熱はないようですが――おやおや、ますます赤くなって。亮は本当に可愛らしいですね」 言葉も出ず胸を高鳴らせている亮を見下ろし、スティールは楽しそうに笑った。 「ですがまだ具合が悪いようなら、今日のところは帰りましょうか。亮の元気な顔を見られただけで、私は満足です」 笑顔のままスティールは、不意に立ち上がる。 亮は驚いたように目を見開いていた。 「え!?」 「帰りにアイネの所に寄ってあげなくてはいけないのですよ。それなら早い方がいいですし――」 「ゃ・・・、嫌だっ。か、帰らないで!」 亮は自分でも驚くほどの大きな声で、そう言い募る。 亮は零れそうに瞳を見張り、立ち上がったスティールのローブの裾へすがる。 「ですが亮――」 「嫌、嫌だっ、行かないでよ。アイネ様のとこなんか、行かないでよぉ!」 涙をほろほろと流し始めた亮に、困ったような顔でスティールがかがみ込む。 「どうしました。何も泣くことはないでしょう」 「だって、嫌だもん。オレ、スティール様が、アイネ様んとこ、行くの嫌だ・・・」 「アイネとは仕事の話ですよ?」 「仕事でも、嫌ぁ――」 自分でもどうにもならなかった。 スティールが自分の元を去り、アイネのそばに行くことが、全身を炎で焼かれるように亮をさいなむ。 「いつもはこんな聞き分けのない子じゃないでしょ? 亮」 抱き寄せられ、頭を撫でられると、亮はますます涙がこぼれるのを抑えられない。 「っ、オレ、スティール様のそば、ぃたら、ダメ?」 スティールはそんな亮の様子に小さくため息を漏らすと、背中をさすりながら耳元で囁いていた。 「私たちイェーラ種は、他のアルマに種を植え付ける、忌むべき種です。ですからゲボ達にもいい顔はされない。亮には気分の悪い思いをさせたくないのです。私にはあまり近づきすぎない方が――」 「気分なんか悪くないよ! オレ、スティール様が好きだもん! オレ、オレ――?」 叫んで初めて、亮は自分が今何を口にしたかを認識する。 途端に頭から湯気を出し、真っ赤になって俯いてしまう。 「亮――」 スティールの手が亮の頤に掛かり上を向かせると、静かに触れるだけの口づけを落とす。 亮は突然のそのキスに、凍り付いたように動きを止めた。 「そんな可愛らしいことを言われると、もう私も止められなくなりますよ――」 上気させた頬のまま、亮は潤んだ瞳でスティールを見上げる。何と答えていいかわからない混乱を抱いたまま、亮は熱に浮かされたようにスティールの名を呼んでいた。 スティールが再び唇を落とし、今度は大人のキスをする。 入り込んできたスティールの舌に、亮は一瞬苦しげに眉根を寄せたが、すぐに恍惚の表情でそれを受け止めていた。 ちゅっと何度も音をたて、スティールの舌が亮の口中を蹂躙する。 「っ、ん、……、は…、すてぃ…さ…」 名を呼ばせてももらえない。 荒い呼吸で喘ぐことしかできない亮の目の前に、スティールの美しい顔がある。 今、自分はスティールにキスされている。そう感じるだけで、亮は気が遠くなりそうなほどの幸福感に襲われていた。 衣擦れの音をたて、いつのまにかほどかれた浴衣の帯が、床にわだかまる。 襟元から忍び込んできたスティールのしなやかな指先が、きめの細かい亮の肌を滑り、親指の腹で亮の胸の先端を擦り上げる。 「ふあっ……」 亮はひくんと身体を硬直させると、無意識に身体を背後へと引いていた。 しかしスティールは逃げようとする亮の身体を引き寄せ、体重を掛けながらゆっくりとソファーへ亮を押し倒していく。 「もう止められないと言ったでしょう」 甘く低い声が耳元で囁かれると、亮は体の芯に痺れるような疼きを感じ、閉じていた目を開けた。 耳元から首筋へ、スティールの舌が這い降りていく。 途中何度もきつく吸い上げられ、その鈍い痛みと濡れた音が亮をさらなる恍惚へと誘う。 荒い息でスティールの動きを追う亮の視線と、スティールの視線がふと合った。 スティールはそれを意識しながらわざと視線を外すと、ツンと上を向き始めた胸の飾りを舌で転がす。 「ゃ、すてぃる、さま、っ、ん、…そんなの、ぁっ――」 スティールの赤い舌先が自分の乳首を苛い、白い指がもう片方をつまみ上げて痛いほどにこね回している。 ただでさえ胸を責められることに弱い亮は、この映像でさらに高みへと押し上げられていく。 ――スティール様が、オレにあんなこと、してる。オレ、に、えっちなこと、してる…… 兄のように慕っていた優しいスティールに淫らな行為をされている現実が、亮を禁忌の快楽へと追いやっていく。 興奮していることを知られるのは恥ずかしかった。 でも、それを止めるだけの理性が亮にはもうない。 スティールの手が完全に浴衣を取り払い、亮の下肢に伸ばされても、亮はされるままスティールの眼前に幼い裸体を晒すしかない。 「スティール様、あ、あんま、見ないで――」 言いながら、亮は視線を横へ彷徨わせる。 快楽と羞恥で桜色に染まった亮の身体を見下ろし、スティールは優しく微笑んだ。 「亮――」 名を呼ぶと一度、うっとりとため息をつく。 「なんて――綺麗なんでしょう、あなたの身体は」 スティールの指先が、起ち上がりかけた亮のものをそろりと撫で上げた。 「ふあっ、ゃ、――」 自分の状況に思い至り、兆しを見せているそこを隠そうと、亮は足を閉じ、身体を捩る。 しかし、ソファーの上から落ちそうになる亮の身体を引き戻し、スティールはしっかりと体重を掛け、亮の身体を固定していた。 気がつけば、両足を大きく抱え上げられ、スティールに亮の恥ずかしい部分は全て晒されてしまっている。 「すてぃ…さ――」 羞恥と混乱で震える亮の唇に、ついばむようなキスを落とし、スティールは目を細めた。 「まだ幼いあなたにこんな真似をするなんて――軽蔑しますよね、亮」 スティールの手が亮の可愛らしいモノをゆるりと擦り上げ始める。 亮は一瞬腰を揺らし、快楽に耐えようと瞼を伏せる。 「私もわかっているのです。これは、良くないことだと。こんなにも私を慕ってくれるあなたに、淫らな感情を抱くなど、神の教えに背くことだと」 先走りでくちゅくちゅと音を立て始めた亮のものを、スティールが咥え込んでいた。 「ん、っ、ぁ、すてぃ、さま、だめ、きたな、ょ、」 自分の足の間で揺れるスティールの頭に手を添え、亮は腰を引く。 しかしスティールの力は強く、本気の抵抗をしていない亮の力では、身体をずらすことすら出来ない。 スティールの舌が先端に割り込むように蠢き、強く吸い上げられる。 「ぃぅっ、ん、ぁっ、ぁっ、ぁっ、だめ、すてぃ、さま、ォレ、でちゃ、だめ、も…」 しかしスティールは行為をやめようとしない。 それどころか、より激しく、わざと淫靡な音をたて、亮の幼いモノを責め立てた。 滴り落ちる唾液の雫を指先に絡め、亮の桃色の蕾にもスティールの欲望が進入してくる。 大好きなスティールに自分のものをしゃぶられ、後ろの孔まで弄られて、亮はその非日常的な状況だけで一度、声を殺したまま絶頂に達していた。 びくんと身体を痙攣させると、快感に身を震わせ、どくどくと下肢が脈打つのを感じる。 「――ぁ、ごめ、なさい。ォレ、我慢できなくて、ごめなさ」 顔を上げたスティールに、亮は泣き出しそうな顔で何度も謝った。 しかし、その謝罪は途中で止められ、苦く甘い口づけで塞がれる。 「可愛い亮。謝らないで。悪いのは私なんですから」 亮はスティールの言葉にふるふると首を振ると、 「今度は、オレがスティール様、気持ちよくしてあげる」 と身体を起こし、ソファーの下へ身を滑らせる。 スティールの長衣の裾を割り、亮は自らスティールのものを取り出す。 大好きなスティールが酷く己を責めていることが、亮にはつらかった。 スティールに帰らないように言ったのは亮なのだ。 「無理はしなくていいんですよ、亮」 言いながら優しく髪を撫でる、スティールの手の感触にうっとりとしながら、亮は兆しを見せているスティールのものに唇を寄せる。 自分のものとは違う大人のそれを、亮はゆっくりと飲み込んでいった。 「…、ん…っ、は…」 大きすぎて含みきれない部分は両手で慰め、亮は必死にスティールのものをしゃぶり続ける。 今まで他のカラークラウンには無理に口での慰めをさせられたことがあったが、自分からこういった行為をしたことはなかった。 いつも強引に突っ込まれ、逃れようともがいている内に、口の中に酸っぱくて苦いあれが注ぎ込まれているのだ。 だから、どうすれば気持ちいいのかとか、どうすれば喜んでもらえるのかとか、考えたこともなかった。 ただ自分がされて気持ちの良かったポイントだけを思い出し、それをたどたどしい動作で繰り返すほかない。 それでも口の中でスティールのものが大きくなっていくのを感じ取ると、亮は嬉しくてさらに一生懸命行為を続ける。 ジュブジュブと嫌らしい音をたて吸い付くと、何度も喉の奥でスティールのものを締め付ける。 えづきそうになるのを堪え、涙を浮かべて亮はスティールの顔を見上げていた。 「――上手ですよ、亮」 頭を撫でられると嬉しさでまた、幸せに包まれる。 スティールの息が徐々に上がってきているのを、亮も感じていた。 ――スティール様のキャンディ、オレ、おしゃぶりしてる。自分から、こんなやらし、こと、したいって、オレ、ホントはすごい、インランだ。どうしよ、なんか、こんなの、どうしよ、――すごい、えっちな気分だよぉ。 「はぁ、はぁ…っ、すてぃ、さま、の、びくん、びくんって、してる――」 過呼吸のように浅い息を繰り返しながら、亮は起ち上がりきったスティールのものを舐めあげる。 床にひざまづいた亮の小さなものも、触れられていないまま大きく起ち上がり、先端からするすると雫をこぼし始めていた。 伸びてきたスティールの手が、亮の胸の飾りをつまみ上げる。 「っ、ぁっ、ぁん、ぁ、はぁっ、すてぃ、さまぁ――」 「ああ、亮、あなたがこんなイケナイ子だったなんて――私はちっとも知りませんでした」 つままれた先端を優しくこねられ、亮は仔猫のように身体を震わせる。 「他のゲストにも、同じようにおねだりするのですか?」 「っ、ちが、しないよ、オレ、しない…、っ、はぁっ、はぁっ……、っ、すてぃる、さま、だけ、好きだから…」 「好きだから――?」 「好き、だから、っ、ん、えちなこと、したいの。ォレ、すてぃる、様と、イケナイこと、したぃ、っ…」 自分がとんでもないことを口にしていると、わかっていた。 何ということを言うのかと、スティールに叱られると思った。 しかし亮にはそれを止められない。 自分が恥ずかしいことを口にする度、それがさらに亮を興奮の先へ高めていく。 「――私もですよ。私も、あなたにもっともっと破廉恥なことをしたい。もっとあなたを淫乱な子にしてみたい」 しかしスティールは、亮の思っても見ないことを口にしていた。 「ずっとそう、思っていたんですよ」 亮の動きが止まる。 兄のようにいつも見守ってくれていたスティールが、そんな風に自分を見ていたことがショックだった。 しかし不思議なことに、亮にはそれが嫌ではなかったのだ。 これでもっともっと、スティールと近づける。 スティールに自分の事を愛してもらえる。 複雑な感情が亮の中で入り乱れる。 「スティール様……」 顔を上げた亮の頭をもう一度撫でると、スティールは立ち上がり、亮をふわりと抱え上げた。 「リュナスと呼んでください、可愛い私の花嫁。あなたは永遠に私の虜なのですから、これからは本名で」 「――リュナス、様」 亮はうっとりと瞳を閉じる。 スティールがまた自分に近づいてくれた気がして、嬉しかった。 ベッドの上に降ろされると、亮はリュナスの首にしがみつき、口づけをねだる。 リュナスはくすくすと喉の奥で笑うと、請われるまま何度も深くキスをした。 「亮。常しえに、魂が消え果てるまで、あなたは私のものだ。私だけの神の贄――」 リュナスは亮の足を再び大きく上げさせると、ローションをつけた指先を、何度も亮の後孔に突き立てる。 中でばらばらに蠢く長い指に、亮は目を細め、身体を震わせながらシーツを握りしめた。 「リュナ、様、ォレ――」 怯えたように瞳を潤ませる亮に、リュナスはもう一度優しくキスをすると、甘い声で問いかける。 「恐いですか? 嫌なら、ここでおしまいにしましょうか?」 亮はその問いに、ふるふると首を横に振った。 恐かった。 確かに亮の身体は、いい知れない恐怖にガタガタと震えていた。 しかし、ここでやめればリュナスに嫌われてしまう。 イェーラ種は嫌だと大きな声で言ってしまっているようなものだ。 何より、リュナスを悲しませるようなことはしたくなかった。 「平気。ちょっと、緊張してる、だけ。オレ、上手に、できるかな――」 「そんな可愛いことを言わないで。キスであなたを殺してしまいそうになる。大丈夫。力を抜いて下さい――」 ちゅっと音をたて、リュナスは亮の額に唇を落とす。 亮がそのキスに緊張を緩めた瞬間、固く大きく起ち上がったリュナスのそれが、一気に亮の中へ押し入ってきた。 「ぃぅっ!!!」 片足を抱えられ、体重を乗せてグンと熱いものが穿たれていく。 「ひ…あ……っ」 ――入ってくる…、リュナス様の、オレん中、に、入ってきて…る…… いつも通り美しいリュナスの顔がすぐそばにある。 しかし今、亮は裸で、リュナスに後腔を犯されているのだ。 その状況を再認し、亮はどぎまぎと顔を赤らめる。 「わかりますか? 亮の中に私がいることが」 荒い息で動きを止めている亮に、リュナスが声を掛ける。 「あなたの言うとおり、もっとイケナイことを始めましょうね、亮」 亮が反応を返す前に、リュナスはゆっくりと腰を動かし始めていた。 大きな質量が亮の内部を擦り上げる度、亮は声を殺し、リュナスの衣を握りしめて身体を震わせる。 他のゲストにされるのとは、明らかに違っていた。 少し動かされるだけで体の芯が疼き、その先の快楽を求め、自ら腰を動かしてしまう。 初めはなんとか堪えていたが、次第にその自制も効かなくなり、数分後には少女のような声で亮は喘ぐしかなかった。 「っ、ぃ、ぁっ、ぁっ、ひぁっ、りゅな、さまっ、ぁっ、…」 名を奪った相手から与えられる快楽は至上のものであり、何者もそれに逆らうことなどできはしない。 それに加え、イェーラの持つ性交時における媚薬効果がガードの下がった亮を直撃し、GMD以上の効果を亮に与えていた。 突き上げられる度、亮はリュナスに必死にしがみつき、半分泣き声になった嬌声を上げ続ける。 「ひぅっ、ぃっ、ぃぁっ、ぁっ、熱っ、変、なるっ、ォレ、っ、」 リュナスは亮の両足を抱え上げると、上から叩き付けるように激しく亮をえぐった。 「ひゃうっ!!!」 起ち上がりきった亮の幼いそれから、勢いよく白い飛沫が飛び、亮の腹や胸にとろりとまとわりつく。 「っ、はぁ、はぁ…、はぁっ、」 ぱたりと腕を落とし、言葉もなく喘ぐ亮の腰を抱え上げ、リュナスは構わず再び動き始める。 「っ、ぁっ、だめぇ、ぁっ、も、りゅな、さまぁっ、ぃっ、また、きちゃぅ…、オレ、またぁ…っ、」 自分へと腰を突き入れ続けるリュナスの姿に、亮の神経は淫蕩な熱で焼き切れてしまいそうだった。 ――リュナス様、に、入れられてる……、オレ、リュナス様と、せくす、してる…… その考えが亮の中をぐるぐると巡り、淫靡な興奮へ亮を押し上げていく。 不意にリュナスの動きが止まった。 「亮、気持ちいいですか?」 「…っ、き、ち、いいよぉっ。はぁっ、はぁ…、はぁっ、りゅな様の、きち、ぃぃのぉ。やめちゃ、嫌だ――」 「それではもっと、気持ちいいことをしましょうか」 「――もと? きちいぃ、こと、する…、する、オレ、もっとぉ」 ねだるように腰を揺する亮に、リュナスは口の端に微笑を上らせると、ゆるりと動き始める。 「亮の中に、私の種を植えるんですよ? それでも続けますか?」 亮のいいところをじりじりと擦り上げながら、リュナスは問いかける。 大好きなリュナスにそんな風にされて、亮に否を唱えることは不可能だった。 「やめちゃ、やだ。りゅなす、様の、種、ください。とおるに、りゅな様の、種、いぱい、植えて、ください」 浅い呼吸で何度も息継ぎをしながら、亮は必死にそう懇願していた。 リュナスの顔に満面の笑みが浮かぶ。 「可愛い亮。それではあなたの望み通り、私の種をあなたの中へ植えましょう。――あなたは私の使い魔を宿すのですよ?」 「はい。――とぉるは、リュナス様の、使い魔、生みます」 リュナスが亮を押さえつけるように覆い被さると、激しく腰を動かし始めた。 ローションと先走りで耳を覆いたくなる淫靡な音が結合部からあがり、亮はその音でさらに性欲を高められていく。 先ほど吐き出したばかりの亮のものは、再び痛いほど起ち上がり、雫で腹を濡らしている。 「孕みなさい、亮っ。私の使い魔をっ、孕むのです」 「っ、はいっ、ぁっ、ひぅっ、ぃっ、りゅな、ぃっ、とぉぅ、妊娠、しちゃう、りゅな、さま、の種、で、にんし、しちゃ、」 一際強く亮の中へリュナスが突き入った。 「っ、――!!!!」 どくんどくんと、体内でリュナスのものが脈打ち、亮は注ぎ込まれた大量の精の熱に悲鳴を上げる。 「――ひゃうんっ!!! ぃぁっ、ぁっ、ぃちゃう、ぁっ、ぁっ、ふああああぁぁぁっ」 あり得ない快楽が、亮の中に叩き付けられていた。 愉絶に恍惚とし、びくんびくんと身体を痙攣させた亮の幼いモノから、とろとろとだらしなく、白いミルクが流れ落ちる。 力をなくした亮の中から己を引き抜くと、リュナスはぼんやりと天井を仰ぐ亮の頬を撫でてやる。 「可愛い亮。今日はいつもより、ずっとうまくできましたね――」 「はぃ、りゅな、さま――」 言葉の意味もわからず、亮はただ返事をする。 「わかりますか、亮。――あなたのアルマに、今、私の種が宿っていることが」 しかし二度目の返事はない。 亮はいつしか目を閉じ、すーすーと静かな寝息を立て始める。 その様子を愛おしそうに眺めると、亮の腹部をそろりと撫で、リュナスはそこへ口づけをする。 「愛していますよ、亮――」 リュナスは亮の身体に掛かった、亮のミルクをそろりと舐め取り、意識のない少年を優しく抱きしめたのだった。 |